本日は、海外における2019年の人事関連の動向についてまとめられた記事を翻訳しつつ、ご紹介していきたいと思います。
全文を掲載すると長くなるため、1項目ずつに分けてアップしていきたいと思います。
もし興味を持っていただけましたら、お付き合いいただけますと幸いです。
尚、当文章執筆にあたり、オリジナルの記事を掲載されていた「G2 crowd」社(米国にある企業向けソフトウェアの口コミプラットフォーム運営会社)から許可を得て、当該記事の翻訳ならびに掲載を行っております。
※直訳するとニュアンスが伝わりにくい箇所などは、自己流に表現をアレンジさせていただいています。
元の記事はこちら(英文:HR Trends: 5 Major Human Resource Innovations in 2019)
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米国企業全体において、グローバル人事関連の費用は2025年までに300億ドルにも達する見込みだ。(300億ドル=約3兆3千億円)
それは、革新的な人事ソリューションを促進するビジネスが急成長している証だと言えるだろう。
つまり、これまで長らく「全従業員のライフサイクルを管理する」という非常に複雑かつ重大なミッションに直面してきた人事担当者たちは、現在大規模なイノベーションの波のさなかにいるのだ。
2019年に私たち(ここではG2 crowd社のこと)が最も強い関心を持っているHR関連テクノロジーのトレンドには、
・従業員エンゲージメントの促進
・企業のダイバーシティ化
・セクシャルハラスメント教育の再検討
・企業のウエルネスソリューションの拡大
・AI導入による人事業務の改善
が挙げられる。
昨今、被雇用者の中では、単なる公正な給与や通常の福利厚生や特典だけでなく、それ以上のものを提供してくれる企業で働きたいと考える人が増えている。
彼らは、組織に対する自身のエンゲージメントの増大や健康促進、そしてワークライフの向上という課題に対するソリューションをさくっと提示することが出来るような、柔軟で多様性のある組織の一員になりたいのだ。
職場環境に向けた現在の革新的なテクノロジーの増加は、ビジネス社会がより総体的な従業員体験(=Employee Experience;EX)を重視する流れに移行していることを反映していると言えるであろう。
※EX…従業員が働くことを通じて得られる体験
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2019年:HR分野の5大トレンド
①従業員エンゲージメント
②無意識バイアスとの闘い
③必要な教育の改善
④健康における概念の拡大
⑤AIによる人事業務の合理化
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1.従業員エンゲージメント
当社予測:米国企業は2019年に従業員エンゲージメント対策への支出を45%増加させるだろう
(従業員エンゲージメントとは、スタッフの組織への感情的な連携、関わり、献身の度合いを示すもの)
スタッフ自身が高く評価されていると感じる時、仕事や同僚、組織に対する献身的な意欲と熱意が高まる。
それにより、従業員の定着率やパフォーマンス、生産性も連動して向上する。
研究で幾度となく証明されているように、従業員のエンゲージメントが低い組織は苦難を強いられることとなる。
我々は最近、従業員エンゲージメントの動向を知るために、人事部門と非人事部門それぞれで働く従業員について調査を行った。
それぞれの役割におけるスタッフのエンゲージメントに対する考えを知りたいと考えたためである。
役割とはすなわち、
①エンゲージメント推進に関わっている人(=HR担当者)
②エンゲージメントに関して日ごろ特に意識する機会のない他部署の人(=HR以外のスタッフ)
である。
調査の結果、HR担当者の80%が、HRテクノロジーを使用することで従業員の会社に対する態度が改善したと感じたということがわかった。
また一方で、57%が従業員エンゲージメントの取り組みは自社において、生産性の高いスタッフの確保に効果的であることに強く同意している。
調査を受けた従業員の大多数が、従業員エンゲージメントは企業文化の発展に重要な要素であると考えている。
つまり、スタッフが組織にしっかり関わっている(=エンゲージメントしている)ということは、全ての者にとって良い結果をもたらすのである。
それでも、「組織内で誰がエンゲージメントを感じているのか?」という疑問に関しては未解決のままだ。
人事担当者はエンゲージメントを推進していると主張する一方、非人事スタッフの多くは、自社がエンゲージメントに関する何らかのソリューションを導入していること、もしくはそのソリューションが自身や組織にとって有効であることを理解・確信出来ていない。
私たちは、スタッフが組織にしっかり関わるようになることを望んでいるにもかかわらず、エンゲージメント向上のためソフトウェアがどのように役立つかということについては、いま確信が持てず、懐疑的であるというなんとも微妙な転換期にいる。
人事を担当する部門、チーム、および各担当者は、採用から研修までの全領域を網羅する包括的な従業員エンゲージメントプログラムを管理および提供することが一つの重要業務である。
今後ますますHR担当者は、エンゲージメントと組織定着率の向上のために従業員エンゲージメントに関するソリューションに向き合うこととなるだろう。
課題は、どのソリューションが最も組織や社の文化、そしてスタッフに役立つかを決めることである。
従業員エンゲージメントを向上させたいと考えた時、そこにはたくさんの選択肢が出てくるだろうから。
たとえば、スタッフからのフィードバックを集めたり分析したり、彼らの業績を把握したり、積極的な活動を推進するために「従業員エンゲージメントソフトウェア」を使用するのは一つの手である。
これらのツールは、エンゲージメントを向上させるために必要不可欠なスタッフのフィードバックの中から重要な意見を引き出すことができる。
さらに、エンゲージメントソフト以外にも従業員を引き付けるための様々なソリューションがある。
これらには、「継続的なトレーニングと教育」、「キャリア開発」、「従業員の自己理解」、「<身体・メンタル・経済における健康>のようなトピックに関するプログラムの作成」などを提供するソリューションなどが含まれる。
企業と人事スタッフは、従業員のエンゲージメントを向上させるための幅広い選択肢を持っており、2019年にはこのようなソリューションの導入・利用が増加することが予想される。
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「*2019年版*海外HRトレンド その①」 終わり
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